皆さん、数多くの意欲的な応募、ありがとうございました!
応募総数は70エントリーにおよびました。
総じてレベルが高く、得意分野も様々な方が応募してくれました。
課題トラックはファンクでしたが、メインストリームジャズ系の方からロック系の方まで、幅広い個性を見ることができて楽しい審査でした。
一人の優勝者を選ぶのは想像以上に困難な仕事でした。中でも最もエントリーの多かった東京部門は接戦で、審査員の意見も分かれ決定に大変苦労しました。名古屋・大阪に比べ、これではフェアじゃないと思い、急遽各特別賞および入賞を設定させてもらいました。
下記に「ベストパフォーマンス賞」、「ベストプロダクション賞」、「ベストギタリスト賞」、「ベストドラマー賞」、「クリヤ・マコト賞」、「ポニーキャニオン賞」および「入賞」の発表があるので、是非そちらまでご覧ください。
一つの課題曲でアドリブを競うというコンテストの性質上、この結果がアーティストとしての評価に直結するわけではないのは当然のことです。皆さんそれぞれの個性を磨き、更に活躍すると共に音楽の楽しさ、快楽を深めていって欲しいと思います。
後日全てのエントリーに対して、ぼくからの感想とアドバイスを書き込みたいと思っています。受賞を逃した方も含め、参加者全員の音楽への思い、情熱、生き様などを感じることが出来て本当に嬉しかった。ぼくのトラックと皆さんの共演、音楽的なキャッチボール、むしろそれ自体が本コンテストの主な目的でした。その仕上げはライブ会場で実現することになります。当日皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!
審査コメント:東京の準優勝は本当にモメました。甲乙付けがたい良いプレイが目白押しで、悩みに悩みました。結局最後には半分ボクの趣味で選んだような結果に・・・(接戦だった方々は各特別賞・入賞をご覧ください)。宮嶋さんに決定した理由は、何よりバックトラックとの相性でした。このトラックを作ったボクのイメージに最もフィットしたという点です。多少荒削りな部分もある宮嶋さんですが、フレーズのセンスが極めてファンキー。ファンキーというのはニューオーリンズで生まれて以来ジャズの最重要要素の一つなのですが、日本では意外にファンキーなジャズギターが少ないように感じます。イディオムの引き出しも豊か。ソロの構成力もなかなかのもので今後に期待したいと思います。
審査コメント:3つのエントリーをしてくれた小林さん。1本はフリューゲルホーン、もう1本はエフェクトバージョン、準優勝に選んだのはノンエフェクトのバージョンです。ですが、アドリブのコンセプト自体はどのテイクも共通して独特の持ち味がありました。あえて厳しいことから言わせていただくと、技術的にはまだまだ上達の余地があります。テクニック、音色、フレージング共に更に磨きをかけていって欲しいと思います。それでも小林さんを準優勝に推した理由は、他の人には見られないソロ構築のアプローチでした。バックトラックとのコミュニケーションを図りつつ、さらに自分が歌ったフレーズとの対話によって徐々にドラマ性を築いていくスタイルに、センスと将来性を感じました。
上記の優勝者・準優勝者および特別賞の一部の方には、クリヤ・マコトのアルバム「Art for Life」リリース記念ライブのステージで、今回の課題曲をライブ出演メンバーと一緒に演奏して頂きます!(セッションは1曲のみです)
●2011年7月1日(金)ビルボードライブ大阪公演
大阪部門 受賞者出演
1stセット 18:30 優勝生地昭比古様 出演決定!
2ndセット 21:30 準優勝小林洋介様&ベストパフォーマンス賞TOMOKIN様 出演決定!
●2011年7月2日(土)名古屋ブルーノート公演
名古屋部門 受賞者出演
1stセット 17:00 準優勝安藤康平様 出演決定!
2ndセット 20:00 優勝清水充也様 出演決定!
●2011年7月3日(日)ビルボードライブ東京公演
東京部門 受賞者出演
1stセット 16:30 準優勝宮嶋洋輔様&ベストプロダクション賞葛西玲緒様 出演決定!
2ndセット 19:30 優勝虎徹様&ベストギタリスト賞吉本信弘様 出演決定!
●7/1~7/3 メンバー
●7/1&7/3ゲスト
●7/2ゲスト
☆ライブ詳細はこちら/クリヤ・マコトからのメッセージも!
審査コメント:数少ない「声」系エントリーの一人。素晴らしい音声模写技術の持ち主です。ボイパ・アーティストだけにリズム感が良い。だけどそれ以上に、音色のバリエーションと楽しさが高ポイントでした。フレーズ的には全くバックトラックを無視した、アウトというよりフリーに近いアプローチです。1コードのこのトラックは、実はそれでも成立してしまうんです。HIPHOP好きのボクとしては、そういうのも全然アリ。普通のアプローチも、フリーのアプローチも可能なトラックを選んだんだけど、今回のエントリーではノイズ系やフリーのアプローチがほとんど見られなかったのはちょっと残念でした。
審査コメント:今回の応募で最も多かったのがギターでした。絶対人口が多いという理由もあるでしょうが、バックトラックがファンキーな16ビートの1コードだった影響もあるのでしょう。それにしてもジャズギターからロック、プログレ系まで、様々なスタイルのギターがエントリーしてくれました。かなりレベルの高い方が多く、悩ましいと共に実に楽しい審査でした。吉本さんはバックトラックの解釈が極めて適切で、東京部門準優勝の宮嶋さんと最後まで競った一人でした。技術は達者でリズムも良く、1コードという素材を活かした観念的なフレーズにも魅力があります。悩みに悩んだ結果として、このベストギタリスト賞を設定させてもらいました。なお他にも東京の平木LAGGY宏隆さん、嶋田孝広さんもとても良かったです。
鈴木智久 様(ドラム)
審査コメント:これもYoutubeでの応募という特徴を活かしてくれた例。演奏はバランスが取れており、スティックさばきのパフォーマンスが目を引きます。実は今回予想外に、ドラムのエントリーが多かった。しかも全体に、かなりレベルが高かった!ドラムは既にトラックに入っており、「アドリブ」というモノの性質上比較するとどうしてもハーモニーやメロディ・フレーズの方へ耳が向いてしまいます。結果的に図らずも、ドラマーには不利な戦いになってしまいました。
そのため、是非この賞を設定しなければと思いました。他のドラマーの皆さんも、それぞれにゴキゲンなプレイでした。その中でも技術、グルーヴ、フレーズ、パフォーマンスのバランスが最も優れていたという理由で、鈴木さんに決定しました。
光平 様(C管ヒチリコ)
審査コメント:かなり早い時期にエントリーしてくれていた光平さん。何と言っても楽器自体が他にはないし、最多の6エントリーの中で様々なヒチリコの魅力を紹介してくれました。まさにビックリの連続で、視聴者の方も大いに楽しんでくれたこと思います。加えて、フレーズもなかなかスピリチュアルでディープです。バランスが良いのは最初にエントリーしたこの動画ですが、個人的にはF管のアウトしたバージョンも好きです。ノリも良くて、文句なしにクリヤ・マコト賞に決定させていただきました。
Trinity 様(キーボード)
審査コメント:あれ、音入ってないかな?というのがはじめの印象でしたが、ドラムに気づいてニンマリ!
次のベースは、さすがにこれはちょっとベースでは無理!? というフレーズが出てきてこれまた思わず笑ってしまいました。
絶品はギターですね。とても気持ちよくソロしてる感じが出てました。
長い間キーボード オールマイティ時代ではありますが、それを象徴する演奏でとても楽しめました。
各賞一つのテイクに絞るのが今回のコンテストのルールではありますが、Trinityさんのおもしろさは、別々の楽器?で演奏した3テイクをまとめて紹介する方が、はるかに伝わると思い、3つまとめてポニーキャニオン賞とさせていただきました。
今度はサックス、トランペット、ヴァイオリンでも聴いてみたいです。
朝倉隆人 様(ベース)
門阪泰樹 様(トランペット)
二見勇気 様(ピアノ)
melotan 様(鍵盤ハーモニカ)
審査コメント:ベースの朝倉さんは、プッシュが強く技術も達者で心意気の漲るパワフルなプレイでした。トランペットの門阪さんは、ジャズへの真摯な取り組みがひしひしと伝わってくるソロでした。ピアノの二見さんは、楽器のコントロールが見事なプレイヤーです。melotanさんは、鍵盤ハーモニカの微妙な表現力と高度なフレーズに唸るプレイでした。
4人とも本当に良いパフォーマンスだと思います。特に門阪さん、二見さんはメインストリーム系のプレイヤーで、このトラックで実力を発揮しきれたとは言えないのかもしれません。また別のシチュエーションでのご活躍を期待しています!
【虎徹様へのコメント】
「初めてボーカルの人のエントリー動画を見ました!\( ̄▽ ̄)/
素敵な歌声ですね…♪
帽子もそれに負けないぐらい素敵(*´ー`)」
誰が優勝するかわからない中、なんと東京部門の全員にコメントを投稿してくれました!
【清水充也様へのコメント】
「めちゃめちゃカッコいいですね!
ベースだけで始まってから、課題曲の音源が入ってくるところがイケてます♪
グルーブが気持い~です
ほんとにサラリーマンなんですか!?Σ(゜Д゜)」
ホントに驚いた様子が絵文字で表現されています。
応募者を励ますメッセージでした。
【生地昭比古様へのコメント】
「ドッヒャ~~~ン。なんか見た目を裏切るすごさですなあ~。
特に「ウォンウォン」ってスライドするとこがツボっすね!!」
擬音いっぱいで表現してくれたコメントは感情がいっぱい伝わってきました。
クリヤ・マコト「Interlude」
(アルバム『Art for Life』の11曲目に収録)
※同アルバム5曲目の「One and Only」で、伊東たけしがソロをとっている部分のバックトラックです。
※アルバムには同曲のコード譜が封入されております。
♪アルバムのご購入はこちらから(amazon)
♪課題曲のみのご購入はこちらから(iTunes Store)
コンテスト概要ページの「応募方法」をご参照ください。
≪コンテストに関するお問い合わせ≫
(株)ミュージックセラフ アドリブコンテスト係
Email:info@music-seraph.com
※審査内容に関する個別のお問い合わせにはお答えできかねます。
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虎徹 様(スキャット)
審査コメント:ファンクトラックのアドリブコンテストですから、元々ボーカリストには取っつきにくいだろうなあ、と思っていました。思った通り、ボーカル系のエントリーは数が少なかった。でもその中に、思わぬ逸材がいました。虎徹さんのエントリーを見てまず思ったのは、すごくいい声だなということ。スキャットも巧いです。音程やリズムのコントロールも良い。なかなかこういう歌手にはお目にかかれない、と思って他の動画も思わずチェックしちゃいました。ちゃんとコンテンポラリージャズを歌える人なんだ、とわかって二度ビックリ。ジャズシンガーやR&B系の歌手はいっぱいいるけれど、アカデミックな素養を身につけたコンテンポラリージャズの歌手は日本では希です。もしかしたらこんな人が日本のジャズシーンの救世主になるかも・・・と予感して優勝とさせてもらいました。