シュチェチン・フィルハーモニーホールこけら落とし、ワルシャワ王宮公演で
満場の観衆を魅了した、日米欧混成ジャズコンボが日本上陸!

<クリヤ・マコト-シルヴェスター・オストロウスキー・クインテット 日本公演のお知らせ>


ポーランド民主化

    ●ポーランド共和国「民主化25周年記念式典」に日本人のジャズ・アーティストが出演。
       <会場はワルシャワ王宮。でもなぜ日本人?なぜジャズ??>

     ベルリンの壁が無くなってから今年で25年。冷戦が終結してから今年で25年。そして、ポーランド共和国が民主化を達成して今年で25年を迎えます。その記念式典が9月12日金曜日に、ワルシャワ王宮で行われることになりました。コモロフスキー現大統領はもちろんのこと、民主化への功績によってノーベル平和賞を受賞したワレサ元大統領(レフ・ヴァウェンサ)も出席し、スピーチを行います。その民主化を描いた映画「ワレサ 連帯の男」も、この春公開されました。

     その記念式典で、なぜか日本人ジャズ・アーティストがパフォーマンスを行う事になりました。ポーランドと言えばショパンの故郷。クラシックの伝統は長く優れたアーティストが多数います。なのに、なぜジャズなのでしょう?そこには、日本では知られていない意外ないきさつがありました。

なぜジャズ?日本人?

     実は、ワレサ元大統領が主導した民主化運動の傍らには常に「ジャズ」がありました。そう、ジャズは「自由」の象徴だったのです。このためポーランドの人々はジャズに対して、日本では考えにくいような深い思い入れを持っています。スターリン時代には禁止され、公に演奏もできなかったジャズ。その経験と、アメリカ公民権運動のシンボルでもあったジャズのイメージが合致しました。
     民主化と共にジャズへの傾倒はさらに強まり、当初1つしかなかったジャズフェスティバルが現在では80を数えるまでに増えました。やはり今年公開されたポーランド映画「イーダ」にもジャズ・サックス奏者が登場します。アーティストのクオリティも非常に高く、旧ソ連圏ジャズのメッカとなっています。

     では、なぜ日本人?
     今回記念式典でパフォーマンスを行うことになったのは、「クリヤ・マコト-シルヴェスター・オストロウスキー・クインテット」というグループです。このユニットは、日本、ポーランド、アメリカの3ヶ国のアーティストが音楽を通じた相互理解と異文化交流を目指して結成したプロジェクトです。また、東洋人、白人(1名はユダヤ系)、黒人の3人種混成ユニットでもあります。各地で民族紛争などが多発する昨今ですが、「音楽に国境はない、グローバル時代のジャズを目指そう」というコンセプトで結集したメンバーなのです。

     「自由化」と言えば、まずは言論の自由、そして報道の自由ですが、それと並んで経済・貿易の自由化が大きな意味を持っています。ジャズが誕生したアメリカは、世界第一位の民主主義・資本主義大国。そして日本は、GDPこそ中国に抜かれましたが、民主主義国としては世界第二位の経済大国です。新興国経済として産声を上げたポーランドが目指すのは、まさにこんな自由主義経済大国なのです。経済大国であるアメリカと日本はまた、共にジャズ大国でもあります。この意味でも、東欧圏の人々にとって「ジャズ」と「自由」は強く結びついているようです。

日米欧混成ユニット

     クリヤ・マコト-シルヴェスター・オストロウスキー・クインテットは、世界的に活動を繰り広げるピアニスト、クリヤ・マコトとポーランド・ジャズシーンで頭角を現すサックス奏者、シルヴェスター・オストロウスキーをリーダーとして、2013年に結成。これまでに、ワルシャワ、クラクフ、グダンスク、シュチェチン、東京、高碕などで公演を行い大好評を博しています。また2014年4月には、日本・ポーランド両国にてファーストアルバムが同時リリースされました。

     今年の春にポーランド国営ラジオ局で1時間のライブ番組が放送されて以来、ワルシャワで最もホットなジャズコンボとして注目を集めています。このたび「民主化25周年記念式典」に起用されたのはその話題性に加えて、やはりポーランドが目指し、友好を深めたいと願っている日本、アメリカとのコラボレーションだったことが大きいでしょう。

     その他のメンバーは、まずトランペットにポーランドが誇るトップ・プレイヤー、ピョートル・ヴォイタシクが参加。そしてベースにはアメリカから、ブルーノート・オールスターズへの参加やアート・ブレイキー・ジャズメッセンジャーズ最後のベーシストとして知られるエシェット・オコン・エシェット、ドラムにはアメリカ解放奴隷出身で初めて博士号(イェール大学)を取得したT・ネルソン・ベイカーを祖父に持ち、ルー・ドナルドソン、ビリー・ハーパーなどと活動を共にしたベテランのニューマン・T・ベーカーが参加しています。

ジャパンツアー!

    アルバム「JUST MUSIC」リリース記念ツアー

     その「クリヤ・マコト-シルヴェスター・オストロウスキー・クインテット」が、ワルシャワ王宮でのパフォーマンス直後に来日ツアーを行います。
     ジャズの故郷アメリカからジャズの歴史を携えて来日する重厚なリズムセクション、長い抑圧から解き放たれて自由を歌い上げる迫力のホーンセクション、そして海外では「歌舞伎を思わせるメリハリのあるプレイ」と評されるクリヤ・マコトのピアノが織りなすグローバル時代のジャズを、是非体験してみてください。

    2012年
      9/15(月・祝) 名古屋スターアイズ(問い合わせ=052-763-2636)
      9/16(火) 大阪ミスターケリーズ(問い合わせ=06-6342-5821)
      9/17(水) 浜松ポルテシアター(問い合わせ=053-413-3908)
      9/19(金) 目黒ブルースアレイジャパン(問い合わせ=03-5740-6041)
    2012年
      クリヤ・マコト: ピアノ from 日本
      シルヴェスター・オストロウスキー: サックス from ポーランド
      ピョートル・ヴォイタシック: トランペット from ポーランド
      エシェット・オコン・エシェット: ベース from アメリカ
      ニューマン・T・ベイカー: ドラムス from アメリカ

     日本ではまだあまり知られていない本ユニット。今回の来日公演は、シュシェチン・フィルハーモニーホールこけら落とで1000人の観衆を魅了し、ワルシャワ王宮で大統領のスピーチに続いてパフォーマンスを行った素晴らしいユニットを、ジャズクラブで間近に聴くことのできるチャンスです。是非お見逃し無く!

    ポーランドツアー初日、「シュチェチン・フィルハーモニーホールこけら落とし」公演の模様をご覧ください!→ラジオ・シュチェチン・オフィシャルサイト(ポーランド語)

今後の活動

     「クリヤ・マコト-シルヴェスター・オストロウスキー・クインテット」は、今回「ポーランド共和国 民主化25周年記念式典」での公演を含むポーランド・ツアー、その直後の日本ツアー、インドネシアの「ジャカルタ・ジャパン祭り」出演を追って、テレビ・ドキュメンタリー作品を制作。ポーランドで来年度の放送を予定しています。

     本ドキュメンタリー作品に関するお問い合せ、その他「クリヤ・マコト-シルヴェスター・オストロウスキー・クインテット」に関するお問い合せは、株式会社ミュージックセラフ(info@music-seraph.com)までお寄せください。 

プロフィール

      クリヤ・マコト:ピアノ from Japan
       高校卒業後渡米し、ウェストバージニア大学にて言語学を専攻。その傍ら、ライブ活動を開始する。卒業後はピッツバーグ大学にてジャズ講師を務め、同時にジャズピアニストとして活躍。グラミー受賞者チャック・マンジョーネ・グループに参加するほか、多くのジャズの巨匠と共演した。帰国後、自らのグループで活動を開始。近年も10回を越えるヨーロッパツアーに加え、オーストラリア・ツアー、モロッコ公演、台湾公演、エジプト公演も成功をおさめるなど、常にワールドワイドに活動を展開する。
       学生時代に交流を深めた黒人コミュニティーの影響を受け、ソウルフルなプレイと鋭いナイフのような切れ味が特徴。プロデューサーとしても信頼が厚く、マリーン、SHANTI、牧山純子などの作品を制作。時にはジャズという枠に収まらぬ多才ぶりを発揮し、平井堅、八代亜紀、土岐麻子などポップスの作曲、音楽プロデュース、映画音楽監督、テレビ番組テーマ曲、CMなども手がけている。
       リーダーアルバムは現在までに15枚。2014年は、本ユニットのファーストアルバム『JUST MUSIC』をリリースし、続けて「クリヤ・マコト・オールスターズ」名義による最新作『NOTHIN' BUT JAZZ』をリリース。高木信哉氏による本作ライナーノーツでは、かのハービー・ハンコックが「日本で最も好きなピアニスト」としてクリヤの名を挙げたことも明かされた。現在本作の発売を記念して、Youtubeで応募する「第二回アドリブコンテスト」を主催、エントリーを募集中。

      シルヴェスター・オストロウスキー:サックス from Poland
       ベルリンに近い街、シュチェチン出身のアーティスト。2002年に、ポーランドの著名なジャズ・コンペティション「Siedlce 2002」にて優勝。その後地元を代表するアーティストとして活躍し、2010年には「シュチェチン・アカデミー・オフ・アート」を設立。この功績が高い評価を受け、文化功労者としてポーランド文化庁から表彰された。 これまでに“When the groove is low” (2011) および“ Don’t explain” (2013)の、2枚のリーダー作を発表。参加者のうち、ドラムとトランペットは今回のツアーと同じメンバーである。2012年にはシュチェチン市から地元出身のアーティストとして表彰された。またポーランド国内のジャズ・アーティスト団体「Orkiestra Jazzowa」(ポーランド・ジャズ・オーケストラ会)の会長として、10年以上ポーランド・ジャズ振興および海外アーティストとの交流に勤めている。

      ピョートル・ヴォイタシク:トランペット from Poland
       ポーランドを代表するジャズ・トランペット奏者として、全ヨーロッパで高い評価を得るアーティスト。ポーランド国内テレビ局主催のFryderyk賞、通称「ジャズ・オスカー」の常連であり、ポーランド人アーティスト部門、ベスト・アルバム・オブ・イヤー部門などで幾度も受賞している。 またポーランドの主要ジャズ・ジャーナルである「ジャズ・フォーラム誌」による年間トップ・ジャズメン賞も複数回受賞。これまでに7枚のリーダー作をリリースするほか、欧米諸国のアーティスト作品100枚以上に参加。米国アーティストとの活動も多く、ケニー・ギャレット、ゲイリー・バーツ、デイブ・リーブマン、ビクター・ルイス、ビリー・ハーパー、レジー・ワークマンなどと共にアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、モロッコなどをツアーし、数多くのフェスに出演している。

      エシェット・オコン・エシェット:ベース from U.S.A.
       アメリカのネブラスカ州オマハ出身。10歳でバイオリン、14歳でベースを始める。 ボビー・ワトソンとの共演で一躍世に知られ、長年ニューヨークを代表するベーシストの一人として活躍してきた。アート・ブレイキー・ジャズ・メッセンジャーズには、アート本人が亡くなるまで在籍していた。またブルーノート・オールスターズにも在籍し、来日公演にも参加している。 ジャズ界を代表する数多くのアーティストたちから篤い信頼を得ており、これまでにベニー・ゴルソン、ジョニー・グリフィン、フレディ・ハバード、シダー・ウォルトン、ケニー・バレル、アート・ファーマー、アビー・リンカーンなど、並み居る巨匠たちのレコーディング、ツアーに参加している。

      ニューマン・T・ベーカー:ドラム from U.S.A.
       アメリカのバージニア州、ピーターズバーグ出身。 父方の曾祖父は、解放奴隷出身のアフロ・アメリカンとして初めて博士号を取得したT・ネルソン・ベイカー(1906年イェール大学)。 3歳でドラムを始める。高校時代はクラシック、作曲などを学んだが、 バージニア州立大学では教育学で修士課程修了。同時に管弦楽団でティンパニ奏者として活動開始。 ビリー・ハーパー、サム・リバーズ、ルー・ドナルドソンのユニットに長年在籍し、多くのレコーディングやツアー、公演を行う。 現在は世界中で黒人音楽、クラシック音楽の比較を切り口にクリニックを展開している。クリニックやライブでは、黒人奴隷が楽器を持てなかった時代を象徴する「ウォッシュボード(洗濯板)」のパフォーマンスも行う。

クリヤ・マコト・オフィシャルサイト

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